東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故は、福島県内のみならず、県外においても広範な放射能汚染をもたらした。
2年7か月が経過しようとしている現在においても、原発事故の被害者は、生活の拠点を奪われ、避難生活や移住を余儀なくされている方が多数存在している。
放射能汚染による健康被害については、チェルノブイリ原発事故を見ても今もって明らかでなく、低線量被曝による健康被害については未だ研究が始まったところにすぎず、今もって未知数である。
原発事故による被害は、極めて広範にわたっており、それを損害項目としてすべて分類し尽くすことなどできていない。
そのような中で、原発事故から3年が経過する中で、時効期間の満了が迫っている。
加害者である東京電力は当初時効を援用しないなどと言っていたが、時効の起算点を明らかとし、東電に対する債権者や株主の利害関係人も多数いることから、このままであれば東電は時効を援用することとなるだろう。
そうすれば、打ち切られ、切り捨てられるのは被害者である。
議員立法の中で民法上の時効期間について議論されているようではあるが、原発事故による未知の損害についても救済されるべく、
時効期間を撤廃ないし大幅に延長されなければならない。
http://www.minyu-net.com/news/news/1009/news10.html
自民党は8日、東京電力福島第1原発事故をめぐる損害賠償請求権の時効を10年に延長する議員立法に向けて検討作業を開始した。原発事故に伴う損害賠償に限り民法上の時効を3年から10年に延長、さらには事故発生後に請求権そのものがなくなるまでの期間(除斥(じょせき)期間)を廃炉作業終了見込みと同じ40年とする案が検討されており原子力事故被害緊急措置法(仮払い法)の対象拡大も盛り込む見通し。15日に召集予定の臨時国会への提出を目指す。
自民党案は、民法724条で定められた時効3年、除斥期間20年の基本原則をそのままに、東京電力福島第1原発事故の被害に基づく損害賠償を「民法上の特例」とみなすのが特徴。全く新しい法案で時効の考えを規定することに比べ、民法の時効に関する解釈や判例の蓄積を活用しながら、時効を延長できるという。
(2013年10月9日 福島民友ニュース)