東電賠償金の課税は不当だ!

 東京電力に対する損害賠償金については、精神的苦痛や資産の損害に対する賠償金は非課税であるが、営業損害や就労不能損害は課税対象になっているのが現実であり、これは国税庁の見解に基づくものである。

http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/shotoku/index.htm

 確かに各種税法の下での課税であるが、そもそも国が万全な安全対策をとることなく原子力政策を全面的に推し進めてきた結果生じた、極めて広範囲にわたってそこで平穏に暮らしてきた人々の生活基盤を一瞬にして奪った事故であることは明らかであり、少なくとも国にその責任の一端があることは言うまでもない。

 なお、国は、宮崎県の口蹄疫やオウム真理教、水俣病被害者に対する手当金などは非課税にした実績がある。

 前例がある以上、東電の賠償金を非課税とすることも十分に可能である。

 政府が煮え切らない態度であれば、議員立法として早急に非課税を実現するべきである。

 しかしながら、現在、国会は消費税増税に向けた論議を行っている最中である。原発事故と東電賠償は過去のものとなり置き去られた感すらある。復旧・復興に向けて動き出そうとしている被害者にとって、賠償金に課税されることは、復旧・復興の原資を国に奪われる結果となる。

 現に、病院も含めた多くの事業者・会社がその不当性を訴えているが、その声は消費税論議で忙しい国会には届かないようだ。国は賠償に課税を課すことでさらに被害者を締め付けている。被害者の復旧・復興に向けた意欲を削いでいる。

 現行の法律の枠組みはそうであっても、国は小手先の税の減免制度を設けることなどではなく、抜本的な復旧・復興に向けた道筋を付けるべきではないか?

 まずはその一つとして、東電賠償金を非課税にすることは容易であろう。

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