南相馬市の実情について(医療)

原町区では、ようやく中大規模のスーパーマーケットも再開し、ドラッグストアーも再開した。
生活に必要な物はお金があれば揃うようになった。
でも、決定的に足りないのは医療!
充実した医療がなければ助かる命も助からない。
なぜなら、原町区が、緊急時避難準備区域に指定されたから。
この区域は、子供、妊婦、要介護者、入院患者は入らないようにする。
だから、病院には入院できないし、救急時に対応できない。
救急病院が救急病院として機能しない。
しかも、明日からは市内で唯一診療を再開していた小児科の医療機関が当面の間休診してしまう。
おそらく子供がいないために受診率が低すぎるからだろうが、何とかならないだろうか。
実際には、避難先から南相馬市に戻ってきた人は数多くいる。
当然のことながら、その中には子供もいる。
そして、子供は緊急時避難準備区域から外れた鹿島区に移転された学校へ通っている。
市が、県が、国が、南相馬の医療水準を震災前に戻せなければ安心して住むことなどできない。
一番重要になるのは救急時への対応だろうが、隣の相馬市の救急病院も入院患者で病床がなく、
救急時に搬送されるとなれば宮城県か福島市になろうが、1時間以上は搬送に時間がかかることになる。
ところが、それは緊急時避難準備区域に概ね指定された原町区だけではなく、
その区域に指定されていない鹿島区も同じ状況に立たされている。
産婦人科はないから、子供を産めない。
小児科がないから、子供を安心して置いておくことはできない。
一体、やむなくこの地に留まらざるを得ない人々が、これで安心して暮らしていくことができようか?

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