東電賠償の時効問題

東電の賠償は、法律上、時効期間を経過すると請求できなくなります。

その問題があるため、東電は、年当初、時効を過ぎても賠償に応じると言っていました。

ところが、1週間も経たないうちに、一転して、東電と国は、賠償の時効期間を『賠償請求に必要な書類を受け取った日から3年間』と勝手に定めて方針転換したようです。

記事からすると、賠償総額が予想を上回るから早めに打ちきりとしたいという加害者とともにお、これに荷担する(東電を資金的に支援している)国の立場がよく見えます。

しかも、「賠償請求に必要な書類」は勝手に東電が送りつけてくる書類でもあって、加害者が送りつけてくる書類が、どうして賠償についての時効の起算点となるのか不明です。

言うまでもありませんが、東電も国も信用に値しません。

ただ、これを抜本的に解決するには、信用できない東電等に働きかけても実効性に乏しいと言わざるを得ませんし、

何より未曾有の甚大かつ広範囲の深刻な被害救済を図るためには、時効の問題をクリアーできる立法的な措置を今こそとるべきです。

>以下、NHKニュースの引用

東電“時効過ぎても賠償請求応じる”

1月10日 14時17分

東京電力の下河邉和彦会長と廣瀬直己社長は、年頭のあいさつのため10日、福島県庁を訪れ、原発事故の損害賠償について、法律で規定された時効の3年を過ぎても請求に応じる考えを明らかにしました。

東京電力の下河邉会長と廣瀬社長の経営トップは10日、年頭のあいさつのため福島県庁を訪れ佐藤知事と会談しました。 この中で下河邉会長は、賠償や除染への対応を強化するため、今月、発足した福島復興本社について「県民に寄り添って会社を挙げて全面的に取り組み福島の復興に尽くしたい」と述べました。 これに対し佐藤知事は、「県民の声にしっかり耳を傾けて、きめ細かく対応してほしい」と求めました。 また、廣瀬社長は損害賠償の請求の時効が法律で3年と規定されていることに関連し、「3年で賠償を終えることは会社としてはありえない」と述べ、法律上の時効を過ぎても請求に応じる考えを明らかにしました。 廣瀬社長は記者団に対し、「法律の問題なのでどのような形がとれるのか社内で検討しているが、県民に心配をかけない形を近く具体的に示したい」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130116/k10014822731000.html

原発事故の賠償請求「書類受領から3年」に

1月16日 5時46分

東京電力と、政府が出資する「原子力損害賠償支援機構」は、原発事故の損害賠償請求に柔軟に対応するため、賠償を請求できる期間を事故の発生から3年間ではなく、被災者が請求に必要な書類を受け取った日から3年間とする方針を決めました。 福島第一原発の事故の損害賠償請求を巡っては、請求の時効が法律で3年とされているため、賠償を請求できる期間を事故のあと、どの時点から3年とするべきかについて、東京電力と原子力損害賠償支援機構で検討してきました。 その結果、請求には柔軟に対応する必要があるとして、事故の発生を起点とはせず、被災者が、損害賠償請求のための書類を東京電力から受け取った日を起点とし、そこから3年間とする方針を決めました。 ただ、賠償請求の書類を発送して一定期間が経ったあとも請求がない被災者に対しては、東京電力が再度、書類を送り賠償に対応することにします。 一方、東京電力と機構は、15日、原発事故の賠償総額が、去年5月に策定した計画で見込んでいた額を、およそ7000億円上回る見通しとなったことから、茂木経済産業大臣に計画の変更を申請し、賠償の時効に関する方針も申請に盛り込みました。

以上

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