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『原発や補償…、相談は切実 苦悩する若手弁護士』2011年4月29日 16時36分
「それは僕も分からない、不安だよね…」。原発や警戒区域内への一時帰宅という切実な問題に、法律家として答えられないのが一番苦しい。福島第1原発の北約10~40キロにある福島県南相馬市の弁護士西山健司さん(30)は妻を福島市に避難させ単身、避難所で被災者の相談に乗る。
大学院まで東京育ち。「地名すら知らなかった」南相馬市に事務所を構えたのは、2009年1月。「弁護士過疎地で働きたい」とのかねての志に、市も開業経費補助という形で応えた。多重債務、離婚…、依頼者は100人を超えた。
存在も意識していなかった原発が、地震翌日爆発。長男を出産予定の妻はテレビから離れず、眠れなくなった。数日後には、ガソリン切れを恐れつつ、妻を連れて9時間かけて東京の実家へ。東京での被災者向け相談会には参加したが、住む場所でやれないもどかしさが募った。4月上旬、妻を福島市の妻の実家に預け、南相馬市に戻った。
近くの弁護士とも協力し、同市や相馬市の避難所約20カ所を回る日々。「借金がある。ゼロじゃなくマイナスからのスタート」「『頑張ろう』だの『絆』だの言われたって…」とうつむく人とも話し込む。今後の補償の相談が多く、最後は必ず原発問題に行き当たる。一体いつ帰れるのか―。
農業や酪農、中小企業が中心。雇用不安が渦巻く。放射線、風評被害などへの補償では、対象から漏れる被災者が出る可能性もある。電力会社や国、県と対峙していく上で、被害の事実を集める地域密着の弁護士が不可欠だと考えている。
昨年南相馬市内に自宅を建て、永住を決めた。被災者から「ずっと悩んでいたが、話をして今日から眠れそう」と言われた。避難所で感謝されることが、今のやりがいだ。
(共同)
(転載終了)
共同通信の記者が南相馬市に入り、私と市内の避難所を取材してくれました。
南相馬の雰囲気を肌で感じ目で見て取材してくれることは大変ありがたいです。
でも、妻の年齢は要らないんですが。