東電賠償Q&A(その2)

Q.東電に対して賠償を求める方法には何がありますか?
A.①東電に対する直接請求(東電書式の利用など)、②原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介手続(HPあり・書式も掲載されています)、③裁判があります。どれを利用しても良いですし、一つの手続がダメなら別な手続を利用することもできます。

Q.東電に対する直接請求をしてみましたが、思ったより少ない金額の明細書が送られてきました。納得できないのでどうすればいいでしょうか?
A.納得できなければ合意書は出さないで下さい。ただし、納得できる部分について先に合意を成立させることも可能です(その場合、合意書の記載内容には細心の注意が必要です)。なお、東電と交渉しても進展しませんから、センターによる和解仲介手続を利用することを考えましょう。

Q.和解仲介手続とは何ですか?
A.仲介委員という第三者である弁護士を通じて東電と話し合いの手続を行います。手続の進展に応じてセンターから双方に和解案の提示があります。東京と郡山にセンターの事務所がありますが、利用する場合にはご自身の住居の近くで手続をしてもらえるように必ず申出をしましょう。

Q.和解仲介手続を利用するメリットはどこにありますか?
A.生活に困っている場合などに賠償金を一部先行して支払うよう賠償金の内払いを、センターを通じて東電に求めることができます(いわゆる仮払いのイメージです)。なお、当初、東電はこれに応じておらず、公に和解仲介案の尊重を約束したことに違反していました。ところが、東電は、平成24年2月28日になってようやく和解案を受けました。詳細は原発被災者弁護団のHPへ

Q.家族が原発事故の避難によって病状が悪化して亡くなりました。東電に何か求めることはできますか?
A.「原発事故」による避難生活によって病状が発症、悪化したことにより死亡したと認められる場合(地震・津波は対象外です)、その遺族は、東電に対して亡くなった方の死亡慰謝料を請求することができます。なお、交通事故の場合の弁護士基準では、母親、配偶者の死亡の場合に2400万円が慰謝料の一応の目安として示されていますので参考にして下さい。これとは別に、亡くなった方の住民票のある自治体へ災害弔慰金(見舞金)を申請することができます。

Q.書類も厚いし面倒なので放置しておいても良いのですか?
A.仮払いは清算を前提としています。様子を見るとしても、いざ請求するときの準備(事故以降の避難の経過と辛く苦しい思いをした生活状況を書いた日記、領収証の収集など)を必ずとって下さい。時間が経つにつれて忘れてしまいます。

Q.実際どうすればいいか困っています。
A.東電の書類を出す・出さないにしても、本当に金額はそれでいいのか、他に請求できる項目はないのか、もっと他に手段はないのかについて、弁護士等の法律専門家に相談しましょう。加害者である東電の言いなりになる必要は決してありません。

Q.賠償はいつまで続くのですか。
A.国の原子力損害賠償紛争審査会での議論だと、国によるステップ2が終了したとして事故収束宣言が出されたことが大きく影響しています。特に、旧緊急時避難準備区域については、インフラ整備と除染の状況を見て、「平成24年8月末日に」避難費用と精神的損害を打ち切るべきであるとの議論が一致したようです。

Q.自営業者・会社等の場合はどうすればいいですか?
A.東電が示した基準と国の指針はよく見ると違いがあります。個々の事業内容によって違うので、個別に対応する必要があります。これから事業を拡大し収益の増加が見込めるはずであった場合や新規に事業を立ち上げた場合などに、過去の決算書のみで損害を算定することは適切ではありません。身近な法律専門家に相談して下さい。

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