南相馬市の実情(続き)

 今日の南相馬の天気は晴れ。夕方から雨でした。
 陽の当たる場所はとてもあたたかでした。
 もうまもなく5月なのですね。

 南相馬にて、ようやく新聞配達が始まるようになりました。先日から福島民報・朝日新聞が、明日からは福島民友・読売新聞・日経が届きます。今日、事務所のポストに入っていた新聞を見て感激しました。新聞配達の有り難さをしみじみと感じました。やっぱり情報が集約し、固定化され、一覧性のある新聞っていいですね。新聞社、新聞屋さんに感謝です。

 でも、郵便は、来ないし、送れないし、不便を強いられています。郵便が配達されない、ポストから送れないって信じられますか?確かに、原町郵便局に行けば、局留めで受け取ることができますが、職員が一々取りに行かないと行けないので、長蛇の列です。出すことのできるのもごくわずかの郵便局のみ。内容証明を出そうと思っても、鹿島区まで行かなければなりません(e内容証明という手段もありますが別でしょう)。
 日本郵便は、一体、いつになったら、配達業務をやってくれるのですか?一体、何のために民営化したのですか?住民のためにサービスしてくれないのですか?
 宅配業者も同じ。メール便業者も同じ。屋内待避指示が解除されたのですから、早急に業務を開始して下さい。原町区民として切なる願いです。

 原町の銀行は、軒並み明日から窓口を開けてくれるそうです。これまで、相馬支店まで行かないといけませんでしたし、嫌になるくらいの長蛇の列でした。。。

 屋内待避指示が解除されたせいか、コンビニの品揃えが充実してきました。これも一重にコンビニの店長さんのお陰ですね。屋内待避指示がなされていたときは、品揃えも満足ではなかったですし、店長さんが配送業者になぜ入れないんだって大声で怒鳴っていたのを聞いていましたよ。コンビニがあるからこそ、在宅であっても、命の食料を調達することができます。コンビニ、ありがとう。

 ガソリンスタンドも頑張って開けてくれています。唯一の移動手段である車の燃料が調達できるからこそ原町に住むことができます。ガソリンスタンド、ありがとう。

 各商店も頑張って開けてくれています。ありがとう。

 警察も自衛隊もがんばって捜索してくれています。今日、遠く山口から来ているパトカーを見かけました。ありがとう。

 ボランティアの皆さんも危険を顧みず頑張ってくれています。ありがとう。

 原発は、住み慣れた町を破壊し、人が暮らすのに大事な地域のコミュニティーを奪いました。私たちは、チェルノブイリやスリーマイル島の事故で何を得たのでしょうか?どのような教訓を得たのでしょうか?
 電力会社は何を考えているのでしょう?東電さん、今頃、避難所に来て何がしたいのですか?土下座するのは誰でもできますよ。東電さんがすべきことは明らかでしょう。
 政府の皆さん、いい加減、誰が見ても見える後手後手の対応はやめましょうよ。
 原発の電源立地を進めてきた方はどのように思っているのでしょうか?
 原発の差止訴訟が最終的に全て敗訴判決を書いた裁判官はどう思っているのでしょう?結果が起きないとダメなのですか?国の専門家は何でも信じるのですか?
 原発の自称専門家さん、いい加減なことを言うのはやめて下さい。今の結果が全てです。
 明日から、家畜の殺処分が始まるとのこと。同意を得てと言いますが、誰が同意しないといえるでしょうか?その行く末が見えているのに。どうして家族同然に暮らしていたにもかかわらず、勝手な人間の都合により、殺されなければならないのでしょうか?人間が自らの手に負えないものを、手にしてしまったからではないですか?

 相双地域の住民の願い、平穏に安住できる元の暮らしができる地域に戻してくれませんか。
 自然豊かで、人が温かい、魚が美味しい、野菜が美味しい、米が美味しい、海がきれい、空が高い、、、あの町に戻して戴けないでしょうか?今までの当たり前の生活が送れればいいのです。それ以上、なにも贅沢は要りません。
 どうか、私たちに復興という名の希望を下さい。

カテゴリー: 南相馬市の実情
4 comments on “南相馬市の実情(続き)
  1. 劉飛燕 より:

    小高区住人です。

    今は遠方へ避難してるのですが、毎日故郷への想いを募らせ、日々南相馬市の現状を知る為に携帯とにらめっこしています。

    遠方避難した事により、職も失い、ハローワーク通いです。

    避難先の企業に勤めたらいいのか?地元で職を探したら良いのか日々悩んでおります。

    両親は戻れる様になれば戻りたいとの事。

    仮設住宅へ入れるかも不明各で、悩める毎日です。

    西山さんと同じく、自然豊かで穏やかな相双地区に早く戻して欲しいです。

    • 西山 健司 より:

      コメントありがとうございます。
      南相馬の雇用状況は、震災前に比べより一層深刻な状態と言わざるを得ません。
      原発さえ・・・というのは誰しも言うところです。
      生活が第一です。仕事を見つけて生活の基盤を作ること。
      現状を踏まえて判断するしかありません。

  2. モコ より:

    こんにちは。相馬市在住です。 

    震災後、ブログを読ませていただいています。 

    私の勤め先でもリストラが始まりました。 

    クライアントが軒並み20キロ圏内だったため、収入が激減したようです。 

    所長から給料50%カットしてもいつまで雇用継続できるかわからないが、それを選ぶか、解雇を選ぶか決めろと、職員全員言われました。 

    原発の余波がいろんなところで出始めていますね。 

    本当にこの地域は甚大な被害です。 

    東電の賠償は40キロ圏内の相馬にはないし、どうしたらいいのか、みんな困っています。 

    • 西山 健司 より:

      原発の影響は30キロ圏内という線引きに留りませんよね。
      30キロは単に国が線引きをしただけです。
      特に、相双地域の事業者・会社が損害を被っており、
      それは職員(労働者)にも直接影響します。
      東電の賠償が必ずしも相馬に来ないというわけではなく、請求するほかありません。

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